帰国生入試で大学合格に必要な英語資格とは?取得戦略を徹底解説

帰国生入試を考え始めると、必ず出てくるのが「英語資格はどれを、どのレベルまで取ればいいのか」という疑問です。

帰国生入試では英語資格が出願資格そのものに組み込まれていることが多く、基準を満たしていないと出願自体ができません。

しかも必要な級やスコアは大学ごと、さらには学科ごとに違います。

この記事では、実際の募集要項に載っている基準を例に挙げながら、どの資格をいつまでに取るべきかを整理します。

帰国生入試で英語資格が必要になる理由

出願資格そのものに組み込まれている

帰国生入試の募集要項を読むと、在籍年数の条件と並んで「各学科の指定する外国語検定試験のいずれかの基準を満たす者」といった条文が置かれています。

つまり英語資格は加点材料ではなく、出願できるかどうかを分ける入口の条件です。

基準に届かないまま出願書類を用意しても、書類審査の前に受け付けてもらえません。

志望校を決めたら、まず出願資格の欄を最初に読むようにしてください。

「英語ができる」ではなく「基準を満たした証明」が要る

現地校で何年も英語で授業を受けていても、それ自体は出願資格になりません。

大学が見るのは、指定された試験で指定されたスコアを取った証明書です。

英語で生活できていることと、指定の試験で基準点を出せることは別の話だと考えておきましょう。

実際の出願基準を見てみる(上智大学の例)

上智大学は学科ごとに基準が決まっている

上智大学の海外就学経験者(帰国生)入学試験では、学科ごとに指定された外国語検定試験の基準が定められています。

2027年度入学試験要項に掲載されている英語の出願基準(いずれか1つを満たせばよい)を、主な学科について抜き出すと以下のようになります。

学部・学科 英検 TOEFL iBT IELTS TEAP GTEC
文学部 哲学科・国文学科・ドイツ文学科・フランス文学科 2級 42 4.0 220(各50) 930
文学部 史学科/外国語学部 ドイツ語学科 2級A 55 4.5 270(各65) 1050
文学部 英文学科・新聞学科 準1級 72 5.5 330(各70) 1180
総合人間科学部 教育学科・心理学科・社会学科・社会福祉学科・看護学科 準1級 72 5.5 330(各70) 1180
法学部 法律学科・国際関係法学科・地球環境法学科 準1級 72 5.5 330(各70) 1180
経済学部 経済学科・経営学科 準1級 72 5.5 330(各70) 1180
外国語学部 英語学科・フランス語学科・イスパニア語学科 準1級 72 5.5 330(各70) 1180
神学部 神学科 指定なし

出典は上智大学「2027年度 海外就学経験者(帰国生)入学試験要項」の各学科の指定する外国語検定試験の出願基準です。

同じ大学でも学科で1階級ちがう

表を見ると、同じ文学部でも哲学科・国文学科は英検2級、英文学科・新聞学科は英検準1級と、必要な級が1つ違います。

TOEFL iBTでいえば42と72で、30点の差があります。

「上智に出すなら準1級」と一括りに考えると、学科によっては過剰な準備になり、逆に足りないこともあります。

志望学科が固まっている場合は、その学科の行だけを見て目標を立ててください。

語学系・社会科学系は基準が高くなりやすい

法学部・経済学部・総合人間科学部・外国語学部の英語学科は、いずれも英検準1級(TOEFL iBT 72/IELTS 5.5)が基準です。

一方で神学部神学科のように、外国語検定試験の指定がない学科もあります。

どの学科を受けるかによって必要な準備量が変わるので、併願先を含めて一度洗い出しておくと計画が立てやすくなります。

大学によって基準の決め方そのものが違う

スコアの下限を明示する大学

上智大学のように、学科ごとの最低ラインを表で示している大学があります。

このタイプは目標が明確なので、逆算しやすいのが利点です。

基準に1点でも届かなければ出願できないため、余裕を持ったスコアを狙うのが安全です。

基準点を設けず、提出だけを求める大学

一方で、スコアの提出は必須にしつつ、明確な基準点は設けていない入試もあります。

この場合は「出せば通る」わけではなく、他の出願書類と合わせて総合的に評価されます。

基準がないぶん、実際の合格者がどの水準にいるのかを説明会や過去の入試データで確認しておく必要があります。

出願区分によって条件が変わる

早稲田大学国際教養学部のAO入学試験(総合型選抜)のように、国内選考と国外選考で対象者が分かれている入試もあります。

国内選考は日本の中等教育課程の修了(見込)者、国外選考は日本国外の12年間の中等教育課程の修了(見込)者が対象です。

どちらの区分で出願するかによって必要書類が変わるため、在学している学校の種類から先に確認してください。

どの試験を選ぶか

英検は日本国内の基準として最も広く使われる

日本の大学入試では、英検の級とCSEスコアが基準として使われる場面が最も多くなっています。

級で示されるぶん目標が分かりやすく、二次試験の面接まで含めて「使える英語」を測れるのも特徴です。

アメリカからでも受験できるので、海外在住のまま取得を進められます。

アメリカでの受験方法は次の記事にまとめています。

TOEFL iBTとIELTSは海外在住者が受けやすい

TOEFL iBTとIELTSは世界中に会場があり、海外在住なら日程も選びやすい試験です。

上智大学の例のように、英検・TOEFL・IELTSのどれか1つを満たせばよいという指定が一般的なので、受けやすい試験を選んで構いません。

ただし大学によって認められる試験の種類が違うので、志望校がその試験を受け付けているかは必ず確認してください。

試験を分散させすぎない

併願先が増えると、大学ごとに違う試験を求められているように見えて焦りがちです。

実際には英検・TOEFL・IELTSのいずれかで足りる大学が多いため、まずは1つの試験でスコアを積み上げるほうが効率的です。

どうしても足りない大学だけ、追加で別の試験を受ける形にしましょう。

いつまでに取るかを逆算する

出願の1年前には目標を確定させる

上智大学の2027年度入試を例にすると、Web出願期間は2026年7月7日から7月23日、書類送付の締切は7月24日(消印有効)でした。

つまり高校3年生の夏には基準を満たしたスコアが手元にある必要があります。

英検は年に3回、一次試験と二次試験に分かれているため、結果が出るまでに時間がかかります。

逆算すると、高校2年生のうちに目標の級を決めて対策を始めるのが現実的なスケジュールです。

有効期限とスコアの直送手続きを見落とさない

多くの大学は、出願期間から遡って一定期間内に受験したスコアのみを有効としています。

早く取りすぎると出願時に期限切れになることがあるので、有効期限は必ず要項で確認してください。

また上智大学では、IELTSとTOEFLのスコアを利用する場合に大学へのスコア直送手配が求められ、Institution Codeは0819と指定されています。

直送は申し込みから到着まで時間がかかるため、出願直前に手配すると間に合わないおそれがあります。

二次試験まで含めた所要期間を見込む

英検は一次試験に合格してから、後日あらためて二次試験の面接があります。

申し込みから合格証明書が手元に届くまで、余裕を見て2〜3か月かかると考えておきましょう。

「出願直前に1回受けて間に合わせる」という計画は、不合格だったときに立て直せません。

最低でも2回は受験できる時期から始めてください。

基準スコアに届かせるためにやること

現地校生がつまずくのはライティングと面接

現地校に通う生徒は、リスニングとリーディングでは早い段階から基準を超えることが多くあります。

つまずきやすいのは、採点基準に沿って書くライティングと、決められた形式で答える面接です。

英検のライティングは内容・構成・語彙・文法の4観点で採点されるため、どの観点で減点されているのかを指摘してもらわないと直せません。

個別指導で採点基準に合わせる

独学で伸ばしにくいこの2つは、試験形式を熟知した講師と一緒に進めるのが近道です。

アメリカに住んでいても、オンラインの個別指導であれば日本の試験対策に精通した講師から直接指導を受けられます。

講師の選び方は次の記事で解説しています。

レッスンの料金や回数の組み方は、コース内容と料金のページにまとめています。
中学受験の場合は、大学とは基準の作りがまた違います。

学校ごと・選考方式ごとの扱いは帰国子女の中学受験で英語資格はどこまで必要かの記事で整理しています。

まとめ

帰国生入試では、英語資格が出願資格そのものに組み込まれていることが多く、基準を満たさなければ出願できません。

上智大学の例のように、必要な級やスコアは同じ大学でも学科ごとに違います。

志望学科を決めたうえで、英検・TOEFL・IELTSのどれで基準を満たすかを1つに絞り、出願の1年前から準備を始めるのが現実的です。

有効期限とスコアの直送手配は見落としやすいので、要項の該当箇所を早い段階で読んでおいてください。

なお出願基準や日程は入試年度ごとに変わります。この記事の数値は2027年度入試のものなので、必ず各大学が公表する最新の募集要項で確認してください。

講師との相性は、実際に一度受けてみないと分かりません。

My Test Coachでは初回レッスンを無料で試せますので、まずは1回受けてから判断してみてください。

レッスン内容や進め方について確認したいことがあれば、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

Manami Palmini
Manami Palmini
Manami Palmini(マナミ・パルミニ)/My Test Coach 講師・英語教育スペシャリスト
アメリカ・ニューヨーク在住。国際基督教大学大学院修了、ニューヨーク大学(NYU)大学院修了(芸術教育学・言語教育研究)。
英検1級/IELTS 8.0/TOEFL 100/TESOL(英語教授法)取得。早稲田アカデミー現役英語講師。
日本とアメリカで8年以上にわたり英語指導に従事し、現地校・日本人学校に通うお子さまの英語力育成、英検・TOEFL・IELTS対策、中学・高校・大学受験対策を担当しています。

Responses

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です