帰国子女の中学受験で英語資格はどこまで必要か|出願条件になる学校とならない学校

帰国子女の中学受験では英検2級から準1級が目安、とよく言われます。

ただ実際に募集要項を読むと、そもそも英語資格を出願条件にしていない学校は珍しくありません。

資格が要るかどうかは、学校単位ではなく「その学校のどの選考方式を選ぶか」で決まります。

この記事では、実際の募集要項をもとに3つのパターンを整理します。

なお、以下の内容は2026年度・2027年度の募集要項にもとづくものです。

要項は毎年変わるので、出願前に必ず志望校の最新版をご確認ください。

パターン1|英語資格が出願条件そのものになる

同志社国際中学校の2026年度 帰国生徒入試には、A選考〈専願〉という方式があります。

選考内容は資格・書類審査・面接で、教科試験がありません。

その代わり、出願の時点で次の条件をすべて満たしている必要があります。

  • 同校を第1志望校として出願し、合格した場合は入学を確約できること
  • 海外での在住国または在籍学校で、英語が日常使用されていること
  • 下記の語学資格のいずれかを満たしていること
試験 必要な基準
TOEFL iBT(Home Editionを含む) 68点以上
実用英語技能検定(英検) 準1級以上合格(準1級はCBT・S-CBTを含む)
TOEIC Listening & Reading 730点以上
ケンブリッジ英検(for Schoolsを含む) B2 First(FCE)160点以上

ここでの資格は、持っていれば有利になる加点材料ではありません。

出願できるかどうかを分ける入口そのものです。

そして英検だけでなくTOEFL・TOEIC・ケンブリッジ英検も認められています。

英検にこだわる必要はなく、どれか1つで条件を満たせば構わないという設計です。

パターン2|同じ学校でも、方式を変えれば資格は要らない

同じ同志社国際中学校でも、別の方式を選べば語学資格の条件はありません。

選考区分 選考内容 語学資格の要件
A選考〈専願〉 資格・書類審査・面接 あり(上記のいずれか)
A選考〈併願〉 書類審査・作文・面接 なし
B選考〈併願〉 教科試験(国語・算数+理科・社会・英語のいずれか) なし

A選考〈併願〉の作文は、海外生活で習得した外国語を使って当日のテーマについて書くもので、試験時間は60分です。

テーマは日本語と英語で出題されますが、作文に日本語を使うことは認められていません。

B選考は3教科の教科試験で、各50分・各100点です。

つまり同じ学校に、資格で入る道・書く力で入る道・教科で入る道の3つが用意されています。

「英検準1級を取る」は選択肢の1つであって、唯一の道ではありません。

パターン3|資格は問わず、学校の英語試験で測る

渋谷教育学園渋谷中学校の2027年度 帰国生入学試験には、英検などの外部資格の要件がありません。

応募資格は、試験日までに海外在留2年以上・帰国後2年以内であることです。

そのうえで、受験時に2つのコースから選びます。

コース 英語・作文 共通科目 面接
コースA 英語(100点/60分) 国語(100点/50分)・算数(100点/50分) 英語面接
コースB 作文(20点/60分) 国語(100点/50分)・算数(100点/50分) 面接

このタイプの学校では、英検を持っていること自体が出願で有利に働くわけではありません。

評価されるのは当日の英語試験と面接です。

ただし、級を取る過程で身につけた語彙力や書く力はそのまま当日の得点になります。

資格が「不要」なのではなく、資格ではなく中身で測られる、と理解するのが正確です。

では、実際に何級を目指せばいいのか

参考になるのが、同志社国際中学校・高等学校が公開している在校生の語学資格取得状況です。

2024年度の実用英語技能検定について、中学1年生の取得者数は次のとおりでした。

1級 準1級 2級 準2級 3級 4級
中学1年生の取得者数 1名 32名 38名 8名 14名 5名

中学1年生の時点で、準1級と2級が中心の分布になっています。

帰国生が多く集まる学校では、入学時点でこのあたりの水準の生徒が周りにいると考えておくと現実的です。

そのうえで、目標の決め方は志望校の組み合わせによって変わります。

資格が出願条件の学校を1校でも受けるなら

その学校の条件が、実質的な下限になります。

同志社国際のA選考〈専願〉であれば英検準1級以上なので、そこから逆算して準備期間を取ります。

資格が出願条件でない学校だけを受けるなら

級は目標ではなく、進捗を測る物差しとして使います。

「準1級に合格する」ことよりも、「準1級のライティングで求められる書き方ができる」ことのほうが、当日の英語試験には直結します。

大学の帰国生入試ではまた基準の作りが変わります。

学部ごとの出願基準の見方は帰国生入試で必要な英語資格の記事にまとめています。

いつまでに取るかを逆算する

資格を出願条件にする学校では、当然ながら出願の時点で合格していなければなりません。

同志社国際中学校の場合、12月入試のWeb出願期間は9月上旬から10月上旬です。

つまり夏までに結果が出ている必要があります。

海外にお住まいの場合、受験機会そのものが限られるので、ここが一番の制約になります。

英検の海外受験は方式によって受けられる級や実施都市が異なります。

アメリカでの受験方法は英検の海外受験会場(アメリカ)の記事で解説しています。

なお、語学資格の原本の提出を求められる場合があります。

合格証明書や成績表は、届いた時点で保管しておいてください。

よくある質問

英検を持っていれば、当日の英語試験は免除されますか

学校と方式によります。

同志社国際のA選考〈専願〉のように資格・書類・面接だけで選考する方式もあれば、渋谷教育学園渋谷のように当日の試験で測る学校もあります。

免除の有無は募集要項に明記されているので、志望校ごとに確認してください。

英検以外の資格でも大丈夫ですか

同志社国際の例のように、TOEFL iBT・TOEIC・ケンブリッジ英検を並列で認めている学校があります。

現地で受けやすい試験がある場合は、英検にこだわらず、その試験で条件を満たす方法も検討できます。

準1級に届きそうにない場合はどうすればいいですか

資格を出願条件にしない方式に切り替えるのが現実的です。

作文型や教科型であれば、英語資格がなくても出願できます。

英語は話せるのに級が取れないという場合は、原因が技能ごとに分かれています。

切り分け方は英語は話せるのに英検に受からない理由の記事で解説しています。

志望校の方式に合わせて、何をどの順番で準備するかを一緒に整理したい場合は、コース内容と料金のページからレッスンの内容をご確認いただけます。
高校受験になると、資格の扱いはさらにはっきり分かれます。

英語以外の言語の資格が使える学校もあるので、詳しくは帰国子女の高校受験|英検は何級から評価されるのかの記事をご覧ください。

まとめ

帰国子女の中学受験で「英検何級が必要か」に一律の答えはありません。

学校ごと、さらに同じ学校の中でも選考方式ごとに、資格の扱いが変わります。

資格が出願条件になる方式では、級を持っていないと出願そのものができません。

一方で作文型や教科型では、資格がなくても受けられます。

まず志望校の募集要項を開いて、どの方式で受けるのかを決めてください。

目指す級が決まるのは、そのあとです。

学習の進め方に迷う場合は、英検オンライン個別指導の選び方の記事も参考にしてください。

講師との相性は、実際に一度受けてみないと分かりません。

My Test Coachでは初回レッスンを無料で試せますので、まずは1回受けてから判断してみてください。

レッスン内容や進め方について確認したいことがあれば、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

投稿者プロフィール

Manami Palmini
Manami Palmini
Manami Palmini(マナミ・パルミニ)/My Test Coach 講師・英語教育スペシャリスト
アメリカ・ニューヨーク在住。国際基督教大学大学院修了、ニューヨーク大学(NYU)大学院修了(芸術教育学・言語教育研究)。
英検1級/IELTS 8.0/TOEFL 100/TESOL(英語教授法)取得。早稲田アカデミー現役英語講師。
日本とアメリカで8年以上にわたり英語指導に従事し、現地校・日本人学校に通うお子さまの英語力育成、英検・TOEFL・IELTS対策、中学・高校・大学受験対策を担当しています。

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